２０１７第５節大宮（アウェー）戦

いつもながら苦しい試合だったが守備陣がしっかり守り、攻撃陣がなんとか１点取って勝つ鹿島スタイル。

昔ながらの鹿島が戻って来たというよりは単に決定力に欠けるだけにも感じるが、耐えている間に先制して逃げ切れる形を作れたのは良かった。

中断明けのふわっと入るところに注意と展望では書いたが、立ち上がりからポゼッションを高めて押し込み、際どいシュートを放つ理想的な展開となった。

が、決まらない。

こぼれ球をフリーで打って外した遠藤、ＣＫからのこぼれを合わせた山本のシュートがポストの内側に当たって相手キーパーに収まる場面など。遠藤のは決めて欲しかったし、山本のは打った後、一瞬気を抜いたように見えたが、金崎だったらあれにも反応して押し込んだ気がする。

４連敗の大宮はまずは守って、という気持ちがあったのだろう。人数をかけて後ろに重心を置いていたが、そのぶん出足が鈍く、肝心なところで枚数が足りなくて助かったとも言える。

ワントップのムルジャを昌子がほぼ完封したことの功績も大きい。代表でコンディションを落としていたにもかかわらず、本当に頼もしくなった。

とはいえ全体で見れば何度かやられたと思った場面があり、ハーフタイムで石井はその点についてケアしたと言っていた。後半アディショナルタイムのバタバタした感じ以外、後半は問題なくやれていたように思う。

足首の怪我で欠場した金崎に代わってスタメンのペドロ・ジュニオールは、悪くないデキだった。ドリブルにも鋭さがあったし、積極的にシュートも打った。２～３本、パスを選択して欲しかったシーンもあったが、ペドロのプレースタイルからして許容範囲。

しかしながら、得点を挙げて欲しいのもまた事実で、カウンターでキーパーと１対１になったところを抜きにかかってライン際でズッコけるという、観ているこっちまでズッコけるようなのは勘弁。出て来たキーパーの上をループで抜くくらいの技を見たい。

というか上しかコースがなかったように見えたが。その後に交代となったが、やむを得ない。あれで不満を持つとすれば今後はやっていけない。

レオシルバは休みを挟んで体調も整ったのか、縦横無尽に走り回り自由にやっていた。後ろに隙が大きくなって危ない面もあるが、攻撃に厚みが出るプラス面の方が勝っていた。

大宮側は当たっていたキーパー加藤が味方との接触で、交代を強いられたのが痛かっただろう。塩田も経験のある選手だが、色んな意味で緊張感のある試合のなかで、土居のシュートを止め切れなかった。ノっていた加藤だったらあるいは止めたかもしれない。

先制は相手のミスとも言い切れない一瞬の隙から。バックラインからのつなぎを、交代で入った安部が恐らく少しだけ触っただろうか。レオシルバが拾って鈴木にすかさずパス。走り込んで来た土居に完璧なタイミングで合わせ、土居もそれに応えてトラップからシュート、ゴールを決めた。

この１点を守り切り、ヒヤヒヤしながら長いアディショナルタイムも乗り切って勝利。勝ち点で首位神戸に並ぶ上々の再スタートとなった。

連携もちょっと上向いていたし、セットプレーも大宮の甘さもあったかもしれないが、いくつか決定機を作ったし、全体的な内容も期待の持てるものだったかと。守備に頼り切りな面は引き続きの改善点だが。

采配は伊東を入れて西をボランチに回すという、永木や三竿健（弟）の存在価値は・・？と首を傾げる部分もあるのだが、コンディションが良くないのだろうと思っておく。

昌子が抜けた時の備えをしながら、この調子で勝ち進んで行って欲しい。

（以下、個人的まとめ）

【２０１７第５節 4/1(土)】(ＮＡＣＫ５スタジアム19:04KickOff大宮/11,676人/曇)

【スコア】大宮　０－１　鹿島　(前０－０　後０－１)　(S 4-13)

【主審】飯田淳平（主審）、三原純、堀越雅弘

【得点】

(鹿)後34分　鈴木→土居　１右

【警告】

(鹿)鈴木３(前28分)

(宮)菊池１(前34分)、ムルジャ２(後16分)

【出場】

ＧＫ　曽ヶ端

ＤＦ　西c　植田　昌子　山本

ＭＦ　c小笠原→90伊東　レオシルバ　遠藤→90+5三竿健（弟）　土居

ＦＷ　鈴木　ペドロ・ジュニオール→74安部

【サブ】クォンスンテ　伊東　レアンドロ　中村　三竿健（弟）　永木　安部

【監督】石井正忠

【MyMVP】土居