制裁金浦和に500万、仙台に200万
5月18日の仙台-浦和戦で試合終了後、浦和の一部サポーターが仙台の選手バスが通り過ぎる際に、外国籍選手に向かって人種差別発言を行った問題について、正式な裁定が下りました。
制裁金が浦和に500万、仙台に200万。仙台にも制裁金が下されたのにはちょっと驚いたけれど、裁定については基準がわからないので何とも言えない感じ。ただ、次に同じことがあったら、「10倍は重い罰」とは犬飼会長の言。
以前、この問題が出た時に下書きしたままアップし損ねた記事を以下、流用する。
人種差別発言については国際サッカー連盟でも決められていて、Jリーグ規約にも罰則が明記されているらしい。1度目は勝ち点マイナス3で、2度目はマイナス6。
差別発言については議論の余地もなく、むしろ侮辱行為(で済むかわからないけど)で犯罪なのでやってはいけないこと。当人にはそれ相応の処分があって然るべき。
ただ、クラブが責任を負うところについては疑問が残る。所属選手が言ったのなら完全にアウトだが、サポーター全員にモラルを徹底させるというのは相当難しいのでは、と思う。仮に1万人のサポーターがいて(実際はもっといるだろうが)、そのうちの一人がおこなった行為について連帯責任となると、どうやって規制していけばいいのだろう。
学生が犯罪を犯したら学校の責任となることが多いが、自分の考えでは親の責任、本人の責任と思う。学校の責任と言うならば、それなりの権限(たとえば言うことを聞かない生徒に対して強制力があるなど)を与えるべき。場所は違うが、それと似たような感覚を持つ。
勿論、自分の応援するチームの勝ち点が減らされるのは御免なので、悪い行いは控えるという抑制効果は抜群にあるだろう。本当はそういうことではないのだが、世の犯罪がなくならないことを見ればわかるように、人の悪行は願うだけではなくならないのも事実。
しかし、ひとつ気になる部分がある。それはAというクラブに恨みを持つ集団がいて、悪意をもってこの制度を悪用した場合、きちんと裏づけを取って見抜けるのかという点。
たとえば、どうしてもAクラブの勝ち点を減らしたいグループがいたとする。その集団は犯罪歴がつくのも辞さない集団だったとして、Aクラブのサポーターに成り済ます。そして、機を見計らって例の行為を行うとする。勿論、勝ち点減点が狙いだから、取調べとかでも「Aクラブのサポーターだ」と言い張る。こうした場合、どこまで裏づけを取るものなのだろうか。
考え過ぎだと言われるかもしれないが、自分は人の悪意は底知れないものだという怖さを持っている。犬飼会長が「次は10倍」と言っている以上、こうした行為が行われた場合、防ぎようがないのではないだろうか。
だからといって代案があるわけではない。なので現状、勝ち点減点について文句を差し挟める立場にはないが、裏づけはしっかり取って欲しいと思う。一番いいのはこうした行いがなくなるのがいいのだけども。ひとごとではない。かつて一部の鹿島サポーターも暴走したし、しょうもない人文字を作って相手サポに不愉快な思いをさせたこともある。
自分の応援するチームが負けると色々と腹が立つこともあるだろうが、それは内に留めておこう。きっと、それ以上のものも与えてくれると思う。そのための応援をしよう。