2012ロンドン五輪アジア最終予選・シリア(ホーム)戦
苦しい一戦でした。途中、相手に合わせてしまう悪癖を出して自ら苦しんだ部分はあるが、とにかく勝ててよかった。1位のみ抜けというレギュレーションで直接対決のホームを落とすわけにはいかないからね。
日本はボランチを山本から山口に代えた以外、バーレーン戦と同じ布陣。ホームということもあってポゼッションも高く、パスもよく回っていたが、ゴール前でがっちり守るシリアの壁を崩せず。どちらかというとシリアの方に得点チャンスがあった。
しかし、前半終了間際、右CKから扇原が東とのショートコーナーから上げたセンタリングを、濱田がDFに競り勝ってヘディング。これが決まって先制点。バーレーン戦と同じような展開で前半をリードして終えた。
後半、前に出て来るシリアに同調する日本。このあたり若いというか、リズムを変えられないこのチームの弱点。ドタバタと打ち合いになる展開で、大迫が決定的シーンを外す。
大迫はポストプレーもうまくやれていて、形もよかっただけに、ここ1本を決めていればMVPだったろう。右に山田もドフリーで、まあ、打ちに行くのはFWとしてオッケーなのだが、やっぱり決めとかんと。
これで救われたシリアは、中央から強引に突破を図ったアルスーマがヒキの強さも発揮して、足元に引き寄せたボールを難なく右隅に流し込んで同点。
ここまでナイスセーブを見せてきたGKサバンナ高橋・・じゃなかった権田もこれは止められなかった。「シリア兄さん、めっちゃ凄いシュート打ちますやん。ボク全然取れませんわ。堪忍して下さい~」
同点になって勢いは完全にシリア。引き分けどころか負けてしまうかもしれない雰囲気も漂うなか、左サイドから仕掛けた比嘉が完璧なセンタリング。ファーに飛んだボールを走り込んで来た大津がダイビングヘッドで沈めて勝ち越し。
あの時間帯にあそこまで上がれた大津にMVP。というか前半からシリアのDFは中央に集まっていたので、ファーまで抜ければチャンスなのに、とずっと思っていました。全部、壁に跳ね返されてましたからね。
2-1とリードしても日本はコーナーでキープとかいうことをせず、最後までCKから得点を狙ってましたが、これは関塚監督の指導方針なんでしょうか。無理するところでもなかったし、実際、FKも取られて危ない思いをしたんですが。
それでも何とか試合を締めることが出来、暫定1位になりました。五輪出場に向けて大きく前進です。来年2月のシリア(アウェー)を少なくとも引き分けで終えることが出来れば大丈夫でしょう。その頃には山村、清武、原口らも合流するだろうし、チーム力はアップするはずです。
今回の2連戦は大津の招集が当たりました。柏の頃からいい選手だとはわかっていましたが、ここまで機能するとは正直思っていませんでした。このまま順調に成長して欲しいです。
他ではボランチの扇原もよかった。アウェーのバーレーン戦ではあまりいいところを見せられなかったから、使った関塚監督もほっとしたことだろう。左利きで長身という見た目が(自分だけかもしれないが)かつて鹿島にいたフェルナンドを思い出させた。フェルナンドも好きな選手だったんですけども。
大迫は「ゴール」という結果を残せませんでしたが、ポストプレーはこなせるようになっているので、これをチームにも還元して貰いたいですね。
(以下、個人的まとめ)
【2012ロンドン五輪最終予選③国立競技場11/27(日)19:21KickOff日本/25,482人/曇)
【スコア】日本 2-1 シリア (前1-0 後1-1) (S 18-12)
【主審】グリーン(主審:オーストラリア)、アレン、シルク
【得点】
(日)前45分 扇原↑濱田 1H
(シ)後30分 アルスーマ 右
(日)後41分 比嘉↑大津 2H
【警告】
(日)扇原1(後45+3分)
(シ)ダース(後34分)、ズビダ(後43分)、アルサリフ(後44分)
【メンバー】(関塚監督)
(スタメン)c権田、比嘉、鈴木、濱田、酒井宏、山口、扇原、東、山田→81山崎、大津→92山本康、大迫→75永井
(サブ)安藤、丸山、酒井高、大岩、山本康、山崎、永井
【MyMVP】大津