ナビスコ予選初勝利がもたらすものは
獲れるタイトルは全て獲る、というスタイルは貫くべきで、鹿島はそうありたいと思っているが、今回のナビスコ予選に限ればギリギリの勝負を仕掛けたことについてはスッキリしない部分の方が多い。
予選3節が始まる前の状況は、リーグ戦ファーストステージ約3分の1を消化して首位と僅差の3位、ナビスコ予選は3分の1を消化して絶望的な最下位争い。
どちらを優先するかとなれば、勿論、リーグ戦になる。
今回、金崎を除くフルメンバーで戦い、なんとか勝って最悪の事態は免れたものの、この勝利を無駄にしないためには予選残り3戦もフルメンバーで戦っていかねばならない。でなければわざわざガッツリメンバーでやった意味がない。
となれば、今週末の広島戦をなんとか凌いだとしても、予選5節6節はリーグ戦12~14節と重なり中2日中3日の強行軍となり、予選ラストは代表ウィークでまた主力が抜けることも考えられる。
日程は他のチームも同様だとはいえ、どちらにせよ先々も全てレギュラー組というわけにはいかず、ここで無理をする必要があったのかどうか。
まあ、これでナビスコも連覇、リーグも獲れるのならば、その時は潔くゴメンナサイ。忘れるかもしれないので先に謝っておくが、主力だけで全てのタイトルを獲りに行けるほど甘くはないと思う。
いずれサブにも働いて貰わないといけないし、いつか試すつもりがあるならばナビスコ予選は思い切れば良かった。前2節でそれをやって負けたと言われれば返す言葉もないが、先のことはどう考えているのだろうか。
負けろとは言わないし、タイトルは獲るべきものだという考えは全面的に賛成ではあるが、目の前の1勝のみにこだわるべき時と、そうでない時の使い分けは必要だと思うのだが。
ナビスコ予選に話を戻せば、鹿島はようやく1勝を挙げたわけだが、Aグループは今のところ引き分けがひとつしかないのでトータルの勝ち点が削られておらず、鹿島がここから上がっていくのは正直しんどい。
勝ち負けで決着するとどちらかに勝ち点3だが、引き分けだと勝ち点1ずつで合計2になるから、引き分けてくれた方が差は縮まりやすい。
鹿島の勝ち上がり条件としては最低限3連勝という高いハードルになったのだが、果たしてこれを成せるのかどうか。成せたとしても、リーグ戦や未来の戦力の底上げを考えると、色々とモヤモヤした気持ちが消えない。
プロは結果が全てなので、シーズンが終わった時、ナビスコもリーグも、天皇杯も獲れていれば何も言うことはないが、意外にこの1勝の代償は大きなものになるかもしれないと感じている。
心配を消して貰うには、まずは週末の広島戦を勝利、ナビスコ予選も怒涛の3連勝で予選突破、勢いに乗って
ファーストステージ優勝と、そういう目に見える結果を出して欲しいねえ。