2016(1)第13節名古屋(アウェー)戦その2
昨日書いたことの補足。
色々はっきりしたことがあると思うのだが、鈴木のゴールから。
鈴木の良さはゴール前での駆け引きのうまさで、動きで相手を引きはがすことが出来る。はがせずにつかれたとしても振り切る強さも持っている。ヘッドも強い。何より泥臭くボールに絡んで押し込める、ストライカーとして一番大事なものがある。
一方で、足元はそれほどうまいわけではなく、味方とのコンビネーションもいまいちでゲームを組み立てることにはまだ慣れていない。やればこなせるかもしれないが、一番良さを出せるのはセンターフォワードであると確信している。
次に土居。立ち回りがうまく、前線にボールを供給出来るし、後方からボールも引き出せる。前に置くとゴールに目が行き過ぎて、名古屋戦でも密集地帯をドリブルで抜けようとしてつかまる場面があった。
勿論そこを抜ければ大チャンスなのは明らかだが、前に置くと周りが見えなくなる弊害があるように感じられ、2列目あるいはトップ下でやるのが向いているように思う。カイオへの2アシストが光ったように、このポジションに一番適性がある。
続いてカイオ。得点したのはいずれもトップでプレーして、裏に抜けることをやり出してから。2列目からドリブルで抜いてゴールに迫るというのも良さがあるのだが、ここ数戦、得点出来ていないフラストレーションが溜まっているのか、プレーが粗く、守備面でもルーズなところがあった。
だったらいっそのことトップに置いて攻撃に専念して貰った方が、特徴を出せない赤崎より裏に抜け出せる可能性が高くなると思われ、実際にそうなった。
石井監督の指示でそういう修正をしたかどうかは定かではないが、ジネイが負傷で下がって自然とそうなったという、まさに怪我の功名とも言える絶好の配置転換だった。これをひとつの引き出しとして経験にしてくれればと思うのだが、妙なところにこだわって細部が見えなくなる側面があり・・。
金崎がいない状況で得点源となるのはカイオ以外に見当たらず、そこを活かす配置を考えないといけない。
そして、永木と柴崎、小笠原のボランチポジション。小笠原への信頼が厚いのはよくわかり、確かにボールへのプレッシャー、ゲームコントロール、危機察知能力といずれにしてもトップクラスで、実は走行距離も相当なものがある。
永木がいい選手であるのいは間違いないが、小笠原と入れ替えるとまでは言えないのが現状。
昨日も触れたが、試合後のインタビューで永木はそのことを認識しており、自分に足りないものはゲームを読む力と、前に行き過ぎてしまうのでガツガツ行って逆にスペースを与えたりする部分の匙加減と、自身のレベルアップを模索している段階だとか。
これは永木が超えなければいけないところではあるのだが、バーサス小笠原という点ではそれはいいとして、では柴崎はどうか、という点。
柴崎もワールドクラスの選手であることは間違いないのだが、それは体調が万全であるか、それに準ずる場合。昨日のように明らかにコンディションが落ちている状態では、使う方に問題があると思える。
流れのなかからでは前半に赤崎へのロングパスを通したものくらいしか目立ったものがなく、後半は単純なパスミスからピンチを招いたりもしていた。小笠原の体力的にこっちを下げるわけにはいかなかっただろうが、スタメン選考の段階で、コンディションを把握出来ていたのかという疑問は残る。
だとすれば2列目に上げるとか、特に遠藤や金崎がいないならそういう選択肢もあったはずだ。
プレースキックのことは何度も言い続けているが、セットプレーになっても一向に得点気配がないのは、観ていても辛い。どういう結果を期待しているのかわからない。
名古屋戦は相手の悪さに助けられ、辛くも勝利をもぎ取ったが、これは去年の新潟戦の終了間際に一気に得点して奇跡的な勝ち方をした時と似ており、これが底力と勘違いをすれば、次にまた同じ失敗をする。勝ったことはヨシとして、修正を加えていかなければならないと思う。
ただ、チームの雰囲気は良くなったようで、ジネイが負傷で交代する時の周りの選手の気遣いもそうだったし、上向く気配はある。驕らず謙虚に、次に備えて準備をして欲しいものだ。
あと、ハリーがまたも観戦に来ていたが、お目当ては金崎なのだろうか。残念ながら欠場しまい、鹿島では柴崎と昌子辺りが候補となるが、柴崎の昨日のデキでは呼ばれないだろう。
昌子はいいところがあったし目に留まったかもしれないが、正直、疲労がピークに来ているので、出来れば召集は見送って欲しいなあというのが本音でもある。