遅ればせながらジネイとの契約が満了、青木が鳥栖に完全移籍
ファーストステージ最終節直前に発表された、ジネイの契約満了と青木の鳥栖への完全移籍。
大事な一戦前のタイミングでどうなのだろうと思ったし、2人をベンチに入れる温情采配も下手をすれば甘さを見せてしまうのではないか、という危惧も抱いていた。
しかし、結果はチームの結束というプラスの側面を、強く打ち出すことに成功。石井監督の人の良さもいい方に転がった。
ジネイに対する個人的評価はデビュー時がマックスだったが、怪我明けの今年、これはもう使えないのではというくらいのキレの悪さを見せ、戦力としてアテにするのをヤメた。ところが、そこから少しずつ調子を上げ、なんとか実戦で使えるほどまで戻った。
ジネイの幻の惜別弾はオンサイドだったと今でも思うが、動き出しと、ゴールを丁寧に狙う首の強いヘッドで枠に流し込んだ、ジネイらしい完璧なゴールだった。
せっかくいい状態に戻ったところで契約終了となってしまうのは勿体ないが、2期連続赤字ということもあり、枠の問題というよりも金銭的な問題なのだろう。
試合終了後のステージ優勝セレモニーでもジネイが慕われている様子が伝わり、特にカイオやブエノにいい影響を与えていたのだと思うと、それも残念な話だが、これもプロの世界。仕方ない。
青木も鹿島ではずっと縁の下を支えて来た功労者。引退かと思うほどの見送られ方をしていたが、それだけチームに貢献し、またチームも青木を信頼して来たのだろう。
まだ一線でやれる選手だが、鹿島は世代交代を図っており、CBは昌子、植田が完全にレギュラーを獲得。将来有望な町田も控えており、鹿島に在籍するならこれまで通り4~5番手あたりの序列は変わらないだろう。
鹿島一筋15年半、出来れば鹿島で選手生活をまっとうして欲しかった思いもあるが、他で頑張って欲しい思いもある。本山の時も思ったが、本人が納得する形を歩むのが一番。
このあたり赤崎や中村も、山村がセレッソで本来の力を出し始めたように、自分の力を出せる環境を選ぶのも大事なことかなあ。まあ、赤崎はジネイが抜けたことで、今一番頑張らねばいけない時だが。
あと、このところのチームの雰囲気の良さは、練習に参加している内田や大迫のおかげもあるだろう。
移籍してもこうやっていつまでも鹿島の一員として、クラブのことを想ってくれていることは素直に嬉しい。それだけいいクラブなんだなと、日曜の報知新聞に寄せられていた内田の手記を読んで思う(原文長いので割愛)。
二人は海外での選手生活を終えたら、また鹿島に戻って来てくれるのだろうか。
そういや鹿島優勝インタビューをスカパーダイジェストで観たが、柴崎の移籍は思い過ごしだったようで、後半も気持を引き締めていかないといけないと語っていた。少なくとも今年は頑張ってくれそうで勝手にひと安心。
植田のトロフィー上げも熊本の人たちに、という小笠原の配慮だったようで、試合中は鬼軍曹だが、ピッチを離れれば本当に人格者だね。
にしても、こういうインタビュー番組を観ていると、つくづく鹿島の選手たちはお調子者がいないなあと感じる。もっとも、まだステージ優勝なのでそこまでの喜びはないということだろうが、是非、完全優勝を成し遂げて、普段は見られない大はしゃぎする鹿島の面々を観たいものだ。