ば、馬鹿な・・オレを壁代わりにした・・だと?

アウェー広島戦、後半12分、鹿島柴崎岳の右コーナーキック。


中央で両チームの選手が競り合うのを嘲笑うかのように、柴崎のキックは一番手前に立っていた浅野(だと思う)に直撃。軽く頭でクリアしたボールを、引いていた遠藤がダイレクトでミドル。


林が反応するも抑え切れず、虚を突かれて棒立ちになる広島DFより速く動き出した中村が詰めて4点目を挙げた。


なんという高度なトリックプレー。普通なら味方を経由するか、誰かが近寄ってショートコーナーにしたりするが、手前の相手に当てて跳ね返りを味方につなげるなんていう発想はなかった。


「プレースキックに定評のある」柴崎だからこそ出来たことだ。いつもいつも手前に当てているのはこういう意図があったんだなー。


壁代わりに使われた浅野は、「ば、馬鹿な・・オレを壁代わりにした・・だと?」というようなセリフを、心の内で呟いたに違いない。


・・なんてことを妄想してしまうくらい、柴崎のキックは手前の壁に当たるなあ。あそこに走り込んでいる選手がいないので、狙って蹴っているわけではないと思うのだが、どうしても柴崎にこだわるのか。


これだとたとえFKを蹴れる外国人を補強したとしても、頑なに柴崎に蹴らせるような気がする。


もっとも、流れの中からのプレーはさすがJトップクラス、バランサーとしても良かったし、2点目を引き出した前線へのオーバーラップからのトラップ、浮き球のパスと完璧な仕事ぶりだった。プレースキックだけがなあ・・。


と、無駄に文字数を使ってしまったので、以下、広島戦の感想の追加を手短に。


まず中村。後半はアシストを挙げたあたりから自分のプレーが出せるようになり、ゴールも挙げてこの先への光が少しばかり見えたが、一番問題だったのは前半42分のプレー。カウンターになり、左サイドでボールを貰った中村は、相手を一枚はがしかけたところで、味方を待って足を止めてしまった。


あの場面、前方には広大なスペースがあった。ドルブルが得意な選手なのだから、あそこは強引に縦に進み、いけるなら自分でシュートまで完結して欲しかった。カイオと比較するつもりはないが、カイオなら間違いなくそうしていた。もっと思い切り良く。


ファンソッコは出足が良く、バイタルでボールを受ける選手への当たりも強く、ボールを弾き返せていた。一方、後ろにスペースを空けてしまい、DFラインにギャップを作ることも多かった。昌子がなんとか支えていたが、1失点目は完全に縦を割られ、2失点目はファンソッコがついていながらシュートまで持ち込まれてゴールされた。


良い面と悪い面が出たが、植田が抜けることが確定しているので、実戦で試せたことは収穫。


金崎は本当にやくやってくれている。全体的な能力が高いのは勿論なのだが、ボールへの執着心が凄い。赤崎はせめてこの気持ちだけでも持って、前線から追い込んで欲しいのだが。


両サイドバックは疲れがピークに来ているように見える。ここから連戦になるので、西と山本は1試合ずつ休ませて浦和戦に合わせて欲しいのだが、石井がそこまで考えられるかどうか。


特に西は普段ならないようなパスミスも多く、ちょっと心配している。伊東と、ファンソッコの左サイドバックでなんとかなりそうだし、なんとかしないとセカンドシーズンは乗り切れないと思う。


ボランチも出来れば永木を使って、柴崎と小笠原を1試合ずつ休ませて貰いたいのだが、それも無理かな。


他のチームのことをチェックしていなかったので広島の近況は試合前に知ったのだが、怪我人がたくさんいたのだね。青山、水本ら主力、鹿島が苦手としているミキッチも怪我明けで途中出場で助かったと言える。浅野、塩谷が五輪で抜け、これからやりくりも大変だろう。


あと、ウタカが相当走っていた。ポジションはFWというより、オールラウンダーとでも表した方がいいくらい攻守に動いていた。あそこについて行ったらポジションを相当崩されるし、かといってフリーにさせるわけにもいかず、わりと自由にやられていた感があったが、そこから先をうまく抑えられていたということだろう。


広島はこういう選手をうまく使う。ドウグラスとかも。鹿島には合わなさそうなので、やっぱり、選手の能力は勿論のことながら、チームに合うかどうかも重要なのだと改めて思った。

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