チャンピオンシップ決勝第二レグ浦和戦、追記

若干、過去の話になってしまった気がするが、CS決勝第二レグの追記。


鹿島は2点取らなければならないという目的がはっきりしていたのに対し、浦和は守れば勝ちだが追加点を取れれば楽になる、という中途半端な心理状態になってしまったのが勝負の分かれ目になった。


常々、追うよりも逃げる立場の方が圧倒的に有利と思っていて、それは今でも変わらないが、この試合に限っては追われる浦和に相当な重圧があった。それはただ単に得点状況だけでなく、年間勝ち点1位という圧力もあったに違いない。


後半、金崎のPKで逆転してから、槙野が上がってパワーフレーという見たことのない試合運びをして来て、そのプレースタイル自体はいくつかのチャンスを作って効果は示したが、勝ち点74を稼いで来た浦和のパスサッカーを自ら消してしまっていた。


ベンチの指示とピッチの選手の意思疎通も図れておらず、数分の間ゴタゴタが続き、そこに助けられた部分もあった。


嫌なイメージのある興梠がおそらく前半で足を痛めたこともあってか交代し、掻き回して来る李もフィジカルコンディション(追記:報知新聞によれば第一戦で肋骨を骨折していたとのこと)なのか、出場しなかったことが幸いした。


一方の石井采配。前試合後、病院に直行したという遠藤、足首捻挫で出場危機と言われていた金崎、不調の色が濃い土居が揃ってスタメン。金崎に関しては攪乱の予想があったし驚きではなかったが、遠藤が出場出来るとは思っていなかった。


試合の入りから遠藤は調子がいまひとつで、これは無理だと感じていたが、得点に絡むアシストを上げ、仕事を果たした。


捻挫の影響かやや迫力に欠けていた金崎もヘッドで1点、PKでもう1点とエースの活躍。PKは報知新聞の記事によれば、鈴木だったから奪ったが、他の選手だったら譲ったかもしれないと言っていて、二人の関係性は外から見るより強いものがあるのかもしれない。


土居もキレがなく、ボールも収まらず、決定機も決められなかった。早いうちに下げて後ろを強化した方がいいと思っていたが、最後まで残した。


強烈なキャプテンシーを持つ小笠原を途中で交代させたのは勇気ある決断だったと思うが、西をボランチに回すという作戦自体はどうだったのか。インタビューでは本人も手応えを持っていたし、やられなかったのだから間違ってなかったとは思うが、伊東を入れた効果はまるでなかった。


小笠原を下げるつもりがあったなら、ベンチに三竿が入っていなかった理由もわからず、攻撃ではファブリシオもいて、中村と赤崎の両方を使うことはなかったことからもこの運用は不可解。


平たく言えば特定の選手に頼った起用方法であり、良く言えば信頼があるということだが、悪く言えばそれ以外に手がないということでもある。


故障を押して出場させた鈴木はPKを獲得して勝利に貢献したので成功と言えるが、そこから交代した赤崎はやはり意図がわからない。


完全にパワーフレーになった浦和に対し、有効な一手は植田だったと思うし、ファーストステージ優勝の立役者の一人でもある。最後にピッチに立っていて欲しかったという精神論的な部分もある。


もしかすれば浦和の作戦に付き合いたくないとか、植田を入れてからパスサッカーに戻された時のことを考えたのかもしれないが、どうしても腑に落ちない。勿論、勝った時は監督の采配が正しかったという持論もあることだし、腑に落ちようが落ちまいが結果論になるが。


ちなみに鈴木が倒された場面。正当なジャッジだったと思うが、槙野はあそこで無理にチャージしに行く必要があったかどうか。


西川は絶妙なポジショニングだったし、あのまま打ったとして決められたかどうかは微妙なところだった。西川を信じるなら動きを制限するくらいで良かったのでは、とこれはまさしく結果論。PKも危うく止められそうだったくらいだし。


振り返ってみればせわしなく動いた浦和が自滅した感があり、いつも通りの采配をした石井が勝利を得た。不思議な話だ。


この一本槍な采配でクラブワールドカップを勝ち上がれる気はしないが、実際にCSも勝ち切った。今後もケチはつけ続けるだろうが、決めるのは監督。今年残り数戦。内容はともかく、勝利を積み重ねて貰いたい。

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