「新化」しているのか?
2010年鹿島のスローガンは「新化」。悲願のACLを獲るために掲げたものだったが、早いうちにその目標もついえて、今は史上初の4連覇を目指しているわけだが、ピンチに追い込まれている。
本当に「新化」しているのならば、こんなものピンチでも何でもないんだろうが、さてホントに「新化」しているのかどうか。
というワケで去年よりよくなった部分を探してみたのだが、贔屓目に見ても見つからなかったことに驚いた。
選手層は正直落ちた。大黒柱のマルキーニョス、小笠原の能力は落ちたし、中田にしてもそう。年齢による能力ダウンを経験でカバーしているに過ぎない。
右サイドバックの内田は移籍。サブに甘んじていた増田、田代を放出し、切り札的存在だったダニーロもいない。本山もいまだに本調子には戻らず、野沢に至ってはずっと眠ったままだ。
新戦力のフェリペ、ジウトンはちょっとずつはよくなってきたけれど、チームを救うほどの活躍は見せていない。次期チームリーダー候補の岩政も今年は冴えないプレーが続いている。
曽ヶ端や新井場は一定の力を見せてはいるが、ここから大化けすることは望みにくい。ちょっと甘い採点で言えば伊野波は伸びてきたとは思うが、清水戦のようなミスもするし、まだ信頼を置くには至らない。興梠、青木、大迫、遠藤、佐々木といった若手も化けてこない。
新らしい力が出てこない以上、メンバー固定の唯一のアドバンテージである「成熟度」に期待するしかないのだが、それももう限界に来ている感じがする。いや、むしろマンネリ化してしまって相手に読まれているし、新しい試みもないから単調に過ぎる。
交代枠も使わないくらい作戦がなくなってしまっているなら、それはもうハッキリ言って、新化というより「退化」と言える。
オリヴェイラ監督を非難するつもりはない。3連覇なんてやってくれる監督はそうはいないし、個人的にも好きだ。多分、今の鹿島ではこれが精一杯なのだろうかとは思うが、何か手を打って欲しいのは事実。
新しい選手を試すのはこの時期勇気のいる挑戦だし、戦術を変えるにしたってそう。だけど、何かしなければこのままでは何ともならん気がする。
せめて膠着状態になった時の打開策だけは見せて欲しい。幸い、代表戦で少しリーグは期間があく。何かを試す時間はあるんじゃないかな。天皇杯3回戦でやってみてもいいんじゃなかろうか。
頼むよ、監督。