第96回天皇杯決勝、川崎戦その2

金崎が体調不良でベンチ入り出来なかったものの、スタメンを伊東→西、中村→遠藤に変更。ここまで来たらコンディションの整っている選手の方がいないという状態で、まさに総力戦。


昌子は歯茎まで欠けていて食事も満足に取れず。山本は前試合で左足の怪我(実況は膝と言っていた)。柴崎、遠藤、西は体調不良明け、土居はほぼフル連戦。小笠原もベテランなのに走り続けている。比較的、出場時間の少ない赤崎も金崎の代わりで連戦。


植田、永木のフィジカルファイターがなんとか走れていた感じだが、特に永木がいなければ中盤の運動量が圧倒的に足りていなかっただろう。


序盤からプレスもかからず、川崎ペースでボールを回されていたが、最後のところを凌げていたのはまさに経験値。世界と戦った経験が、川崎相手にボールを持たれても慌てることなくやれた要因かと。


川崎側からすれば1-1で小林が抜け出したシーン。切り返して左足で打ったシュートがポストに当たったところが最大のチャンスだったか。それ以降は、そこまで危ない場面はなかった。


鹿島も2-1とリードして以降、ダメ押し出来るチャンスが3~5度くらいあったが、キレの良かったカウンターは影を潜め、数的優位を潰したり、バー、ポスト直撃で阻まれたりと決め手を欠いた。


変に時間を持つと考えて手数が多くなるのが原因かと思うが、マリノス戦で決まったカウンターのように、ワンタッチでダイレクトにつないだ方が決まり易いのかもしれない。ただ、それをやってボールロストした場合はカウンターで大ピンチになるが。


まあ、むしろ3-1で2点差になったら油断して、一気に失点するパターンも有り得ただけに、結果的には2-1だったことで緊張感を保てたのかもしれない。


時間を使う、いわゆる「鹿島る」のが以前に比べて上手にやれていないのは、技術的なものなのか、精神的なものなのか。マルキーニョスのキープ力が尋常じゃなかったという説が有力だが、もうちょっと時間を稼いで欲しいと思うことは何度かあった。


交代策は石井の方はフィジカル面であれしかなかったという感じ。山本の代わりでファンソッコがいけるかと考えていたが、こういう大舞台になればさすがに本職ではない部分がモロに出る。攻撃面では割と参加出来ていた方だが、守備面では不安がつきまとっていた。山本をスタメンでいったのは正解だっただろう。


赤崎から鈴木も、鈴木のジョーカー的な空気や、体調面を思えば時間帯も含めて的確だった。最後の1枚を悩んだ末に小笠原からファブリシオに決めたのも良かった。


個人的にはファブリシオを入れるのは博打でしかないが、確かに得点しなければいけない状況ならば、金崎がいない以上、ファブリシオの選択は間違っていない。


一方、風間監督は延長までカードを1枚しか使わず、出した選手を信頼していたのか手が遅かった感があった。川崎サポはあれで納得しているのかわからないが、足が止まっていた鹿島が耐えられたのもそのおかげがあっただろう。先にリードされていたら、反撃する力はなかったように思う。


大久保が怪我で出れるかどうか、という話だったので、途中で代えてくるかと思ったが最後まで残した。一発の怖さは常にあったが、後半から延長にかけて存在感が薄くなり、そこに救われた面もあった。


延長に入って、なりふり構わず攻撃に来られたら耐えきれるかなと心配していたのだが、調子がいまひとつなのか、最後の方は川崎の勢いも止まっていた。もしくは、鹿島が見事に止めたというべきか。


川崎はこの試合をもって、監督を含めて大きくメンバーが変わる。今の川崎はひとつの完成形と思うがゆえに、そこに勝ててタイトルを獲れたのは、とても嬉しい。


鹿島もメンバーの入れ替えはあるが、鹿島魂をこれから先もずっと受け継いでいってくれればいいのになと強く思う。

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