小笠原とレオシルバの違い、勝者のメンタリティ
小笠原とレオシルバ、どちらも優れたボランチであり、能力だけで言えばどちらが上とも下とも言えなず両者ともに長所短所はある。
それなのに何故か、小笠原が出ている時とレオシルバが出ている時の、チーム全体の強度に違いがあるように感じていた。
勿論それは、長年鹿島でやってきてくれている小笠原への信頼感やキャプテンシーもあるのだが、それだけではない何かがあるような気がしていた。
そこのところをなんとなく考え続けていたら、もしかしたら最大の違いはいわゆる「勝者のメンタリティ」ではないのかという結論(仮)に辿り着いた。
レオシルバの経歴を見てみると、クルゼイロ(2007)、イパチンガ(2008)、ボタフォゴ(2009)、グアラチンゲタ(2010-2011)、ポルトゥゲーザ(2012)、新潟(2013-2016)ー鹿島(2017-)とあり、グアラチンゲタがB、他がA。
それぞれ在籍時のクラブ成績を見ればクルゼイロ5位、イパチンガ20位、ボタフォゴ15位、グアラチンゲタ15位、8位、ポルトゥゲーザ16位、新潟7位、12位、15位、15位。
手元の集計なのでズレがあったら申し訳ないが、ボタフォゴ時に「タッサ・グアバナラ」というタイトル(どの程度のものか不明)を獲得している以外、上位でシノギを削っていた時期がない。
新潟で残留争いに巻き込まれているのは経験と言えば経験だが、タイトルを争うゲームをほとんど経験していない。
思えば、レオシルバは個の能力に頼り過ぎる部分があり、それで通用してしまう場合も多いのだが、逆に狙われてピンチを招くことも多々ある。
言ってしまえば、「プレーが軽い」と表現してもいいくらいの隙を見せることがあり、そこのところが見ている側に不安を与えるのではないかと思う。
絶対にゲームを落とさない、そのための強い意志、勿論、レオシルバも勝つためにプレーしているのはわかるし、危ない場面を彼ならではの身体能力でカバーしてくれる場面もあるのだが、どこか甘さを残しているのはギリギリのところでのメンタリティなのではないかと推測する。
折しもジーコさんが来日し、ジーコスピリッツを再確認させてくれたから余計にそう感じただけかもしれないが、レオシルバには彼なりの強みを残した上で、相手に隙を与えないようなプレースタイルに変わってくれないかなと願っている。
要は、何でもかんでも一人でやろうとしないで、声を掛け合って、チーム全体で戦いましょうということ。
永木も移籍いた当初はガツガツいって裏を取られたり、一人だけ浮いてしまっているシーンが随分あったのだが、クラブワールドカップを戦う頃には「鹿島スタイル」に馴染んでいた。
攻める時と守る時。そういう共通意識を持って戦うことが大事なんじゃないかと、改めて思うのである。まる。